テレビカメラマンの僕が実際にロケしたエピソード
ソコトラ島初上陸の軌跡
Vol’1~2では日本を経ちドバイを経由して
サナアにたどり着くまでをお届けしました
第3回となる今回はソコトラ島へ上陸し龍血樹とご対面するまでをお伝えします
2008年12月19日・・
この時点で日本人としてこの島を訪れたのは僕たちが初となりました
アメリカをはじめ北極や南米など、地球のあちこちを歩いてきましたが
こんなアニバーサリーな初上陸は初めての事!
この島で独特の形に進化した固有種、龍血樹っていったいどんな植物なんでしょうね
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邦人初のソコトラ島上陸!
ようやく降り立ちましたよ!ソコトラへ!
こちらがこの島唯一の空港
記念すべき邦人初上陸の第一歩です!
我々を待っていた現地ガイド兼ドライバーさんも空港がちっちゃいからすぐに分かりました
インド洋に浮かぶこんなちっちゃな島なのに車はやっぱりTOYOTAが多い
気候は湿度がほとんどなく、カラッとしてて快適そのもの
機材を積んだらまずはなによりホテルへ直行
島の中心部、ハディブはすぐ目の前でした
チェックインして部屋に機材を搬入したらノドがカラッカラ!
売店ダッシュしたらなんとなんと!コーラがありました~!
まさかこんな離島でコーラが飲めるなんて・・・
TOYOTAもすごいけど、コカ・コーラもすごい!
食料などの物資にはちょっと不安があったんだけど幸先いい感じ!
これからの数週間、コーラが飲めればもう安泰です(笑)
チェックイン当日は機材や身の回りを整理するので手一杯でしたが
翌日ホテル屋上に上がって街全体を見てみました
やはり暑い国はコンクリートか石作りの建物なんですね
高い塀で囲ってるところもあり、よく映画で見る光景と一緒でした
そしてその向こうにそびえる切り立った山々・・・
目指す龍血樹はあの向こうにあるようです
ここへ来るまであちこちで見かけてきたモスクもここで見るとなんだかおしゃれ
青々としたインド洋が美しい!
ソコトラ島情報収集
上陸後、まずはソコトラという島を把握するため観光局へやってきました
歴史や絶景ポイントなどをディレクターが聞き込みします
ここで教えてもらった絶景ポイント☆
このあとvol'4で紹介しますがこれまた大感動でした!
下調べはやっぱり大切です
調査を待つ間、暇だった僕は警備さんと仲良しになり、すかさずスナップ!
フツーに接してる時は笑顔なのに、イエメンの男って写真となると
急に真顔でキリっとしちゃうんですよねぇ
彼も決して機嫌が悪いワケじゃないんですけど(笑)
固有種の幼木たち
ソコトラの自然は独特の進化をしてきたので大陸部とはまったく別モノです
インド洋のガラパゴスという異名がある通り、
動植物800種のうち約4割が固有種なんだそう
そんな独特の自然環境で育った動植物も温暖化により絶滅が危惧されはじめ
一部の植物は島の人たちの手によってその子孫が保護されていました
これは僕らが目指す龍血樹の幼木たち
観光局から紹介された保護センターでのスナップです
これが一人前の大木になるには100年以上の月日が必要なんだそう
こうやって保存する姿勢からも貴重で象徴的な植物なんだなぁって感じますよね
こちらはボトルツリーの幼木さん
このぽってりした形状、とても印象的ですよね
高さは15センチにも満たないほどですが、
ちっちゃいのにもういっぱしの雰囲気があって成木を見るのが楽しみです!
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龍血樹とご対面!
さてさて、幼木の撮影も終わったところで
そろそろモノホンの龍血樹が植生しているところへ向かいましょう!
龍血樹は昔はこんな標高の低い平地にもあったそうなんですが
温暖化によって空気中の水分を摂取する事ができなくなり
現在ではこの切り立ったハギール山脈の向こう、
雲や霧が発生しやすい高地でしか見られなくなってしまったようです
ホテルから車で約40分、山の裏側へ回りこむように走り続け、ようやく龍血樹にご対面
まずはドライブショットからですが、見たこともない異様な風景にあぜん・・
標高が高くなっているのは雲の位置でも分かりますが
絶滅と聞いていたのにめっちゃ群生してるじゃないですか!
しかし、よ~く見るとその多くはまだ若木・・
水分を求めて植生を高地に移し、ようやくここまで育ったんですね~
この日は一帯の状況をロケハンするのにあちこちを移動
ハディブの街からは想像もできない景色に惑わされっぱなしでした
あくる日、この一帯をよく知る人物に会うためシェバホンという村を訪ねました
日本人を見たのはたぶん初めてでしょ~
僕たちもキミたちとは初対面! Nice to meet you!です(^▽^)/
この方がお目当ての部族の長、キバニさんです
言葉なんて分からなくてもまったく問題なし!
数分のあいさつモーションと笑顔ですぐに仲良くしちゃうのが僕の特技(笑)
キバニさんによると、昔この一帯はもっと気温が低くて龍血樹もあまりなかったんだそう
言われてみれば大木と呼べるような木はそれほど多くはないんですよね
僕たちが見かけるのはたいていがまだ若木で近年になって増えたものだと推測がつきます
やはりここでも温暖化の影響があったんですね
撮影してるこの龍血樹もおそらくはキバニさんらと共に育ってきた若木
ほんとならがっつり大地に腰をおろして撮影したいところなんですが
ここには猛毒のサソリやムカデが潜んでいるので
そんな恐ろしい格好も簡単にはできません(;・∀・)
こちらは中くらいの龍血樹
休憩するにはじゅうぶんな大きさで、日中は紫外線をさえぎる大きな日陰を作ってくれます
下から眺めると無数の枝が水平に放射状に伸びているのが分かりますよね
東南アジアで見られるものはもっと全体が丸くなってましたが
まったく別の種といっていいくらい奇妙な形に進化しています
この龍血樹はこの一帯では最大級
キバニさんの村、シェバホンにあり、シンボル的な存在となっていました
専門家の分析によると、ここまで育つには1000年以上かかると言われています
龍の血と言われるゆえん
龍血樹がなぜ龍の血の樹と呼ばれるのか・・
象と戦った龍の血から生まれた説とか所説あるようですが
なんといっても一番の理由はこの樹液の色でしょう
この赤い樹液が古くから珍重され、島では薬として止血剤にしたり
赤ん坊を産んだ女性に飲ませたりしてきたんだそうです
交易が盛んだった昔はバイオリンや陶器の顔料などにも使われたみたいで貴重な樹液だったようです
奇妙な形に進化したワケ
龍血樹がなぜこんなキノコのような形をしているのか・・
おそらくこんな形をした樹木は地球上のどこにもありません
不思議ですよねぇ
こんな独特の形になった理由はこの島の気候そのものにあります
島は乾燥していて1年じゅうほとんど雨が降りません
水分の補給が欠かせない樹木は霧や雲が発生しやすい高地に植生を移し
空気中のより高いところにある水分を摂りやすくためにこのような形になったというわけです
主にディクサム高地というところに群生しているんですが
この一帯は霧や雲が発生しやすいため、龍血樹以外にも多くの種が群生しています
あのぽってりしたボトルツリーもそのひとつ
次回vol'4では、このボトルツリーや謎の砂山を作るカニなど
多くの固有種と絶景ポイントを紹介します☆
お楽しみに!
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