デジカメ(静止画)用の三脚ヘッドは基本、3軸で調整します
しかし、これだと動く被写体を追いかけながらショットする場合
まったくと言っていいほど使い物になりません
それはデジカメ用ならではの構造に問題があるからなんです
動く被写体を狙うのに今までさんざん手持ちで苦労されてきた方は必見!
もう手持ちなんてせずビデオ三脚に乗せて撮りましょう!
この記事はこんな方にオススメです
1:三脚の各所固定作業が面倒だと感じている
2:動くものを追いかけながらシャッターしたい
3:デジカメとビデオカメラ、両方を1本で使える三脚が欲しい
4:軽くて安定性がありタフに使える三脚を探している
5:チャンスを逃さずストレスのない撮影をしたい
デジカメ用とビデオ用の三脚の違い
三脚は手持ちでは安定して撮れないという問題を解決するために作られたものです
しかし、デジカメ用とビデオ用の三脚には大きな違いがあるんですよね
デジカメはそもそも静止画を撮る前提で作られているため
三脚を使う場合は構図が決まったら固定するという概念があります
しかし、動画撮影をするビデオカメラの場合、固定してしまったら
被写体が動いた場合に対応できなくなります
そのため、常時動かす事を前提に作られているのがビデオ三脚なんです
常に動かしつつも安定した撮影ができるよう設計されているというワケです
構造比較 デジカメ三脚
こちらをご覧ください
これが一般的なデジカメ三脚のヘッド部分
撮影するためにはこの3つの軸を全て操作する作業が必要になり
ロックネジを緩めた状態だとスカスカになり重量バランスが取れないため
動くものを安定して撮る事ができません
唯一の利点は縦撮り③ができるところですね
構造比較 ビデオ三脚
対してビデオ三脚はこんな感じ
お釜と呼ばれるお椀のようなくぼみにヘッドを載せ、水平が取れたところで
下から専用ロッドで固定します
デジカメ三脚の場合、水平を取るには3本の脚の伸縮で行いますが
ビデオ用のはこのロッド1本のみ
緩めてお釜に乗ったヘッドを動かし、水平が取れたら締める
ワンアクションでできるのはビデオ三脚ならではです
一応、ネジは2つありますが、撮影中にカメラを固定する場合以外は
当然ロックせずに使います
カメラはこんな感じでヘッドの上に乗っかります
この右にある長い棒はパン棒といって、
これ1本でヘッドを上下左右斜め,動かす仕組み
この状態でネジロックフリーにしておいてもカメラは微動だにしません
マルチに使えるおススメ三脚 リーベックTH-X
こちらで紹介してる製品はリーベック社のTH-Xというモデルなんですが
中型ビデオカメラ用としてここのところテレビ局でも需要が増えています
高精度でガタつく遊びがなく、なおかつ軽量で安価!
ロックをしない状態でパン棒から手を離しても
このようにその位置から動かない油圧システム(カウンターバランス)をヘッド内に収めています
同様のシステムは各社から発売されていますが、他社製はカメラ重量により微調整が不可欠なのに対し
TH-Xは独自システムにより完全フリーとなっています
これさえあれば一眼からミラーレス級のデジカメでもなんなく乗せる事ができ
快適な動作で動く被写体を追いかけられるってワケです
この内蔵された油圧のおかげで適度な負圧(ドラッグシステム)がパン棒にかかるため
ヘッドを振ってもスカスカにならないのがビデオ三脚のいいところ
粘着性のある感触が安定感となってカメラマンをサポートしてくれます
さきほども述べましたが、従来のカウンターバランスシステムは
カメラの重量により抵抗値を変えるダイヤルがあったんですが
このTH-Xにはそれがなく、中型のビデオカメラクラスであれば重さに関係なく
調整不要で楽に動かす事ができるため、こういった点からも人気を集めています
ちなみにパン棒を装着する位置はヘッドの左右2か所にあり
デジカメの場合は右手でシャッターを切るので左側に固定して使うようになります
TH-Xの魅力 軽量で安価であること
TH-Xが出現するまで、このクラスの三脚は
ドイツSachtler(ザハトラー)社製の製品が主流でした
しかし、油圧システムを高精度に調整する機構が複雑だったため
扱うには僕たちプロカメラマンくらいにしかできない代物でもありました
そこを誰もが使える製品にしてしまったのがリーベックのTH-Xなんです
こちらがその比較図
重量 | 価格 | |
Sachtler ACE | 4.6㎏ | ¥89,750 |
Libec TH-X | 3.1㎏ | ¥27,500 |
使い勝手がよくザハトラー社のものと比べても遜色ない動作
これに加えて価格が3分の1というのはコスパの面でも驚異的です
TH-Xの魅力 誰でもすぐに扱える操作性
従来製品はザハトラー社製品をはじめ、どれも調整が難しいものばかりでした
しかし、その点を解消して誰もがすぐに扱えるようにしたのがTH-Xの素晴らしい点です
面倒なドラッグやカウンターバランスの調整をほぼフリーにし
複雑な機構を減らした事で軽量化にも成功
前後の重量配分を5:5にするためのバランス調整も
この銀色のネジを緩めるだけでプレートがサッと動くのですぐに中心点を決められます
TH-Xを使う時はまずこのスライド式プレートをカメラ側に取り付けます
その後のヘッドへの装着/脱着はネジ横のリリースレバーでワンタッチ
プレートのネジは大小1個ずつあり、小はバネで沈むピン方式になってるので
1穴しかないデジカメでもなんなく装着可能
ネジ径はデジカメのCマウントと共通です
TH-X 適合機種
カメラ重量が0.3~3㎏程度のものであればデジカメ/ビデオに関係なく使えます
一眼等の望遠レンズは400mm前後(2㎏)までなら問題ありません
ただし、装着する場合はレンズ本体にある三脚座にて行って下さい
カメラ本体のマウントで装着してしまうとさすがに前が重くなって傾いてしまいます
マウント部も過負荷になり破損の原因になってしまうのでご注意を!
ビデオ三脚 TH-X まとめ
ビデオ三脚はデジカメのような90度傾ける軸機能がありません
なので縦の構図で撮る事はできませんが、欠点といえばそれくらいです
もし縦撮りで使いたいならL型ブラケットというアダプターがあるのでこれをお使い下さい
テレビ局でも画質にこだわってフルサイズセンサーを搭載した
EOS5Dやα7を使う事がありますが、それも現在はこのTH-Xを使っています
いかに安くても精密で安定しない三脚だったら絶対に使わないのが業界の掟
プロの僕たちがイチオシする三脚ですから安心してお使いいただけます
リーベックは国産なので、破損修理が迅速なのも押しの理由です!