映像業界で40年、たっぷり経験を積んだプロとして
ハッキリ断言します!
聞きにくい音声動画は敬遠されます!
最近はスマホでも高品位な動画が撮れるようになり
気軽にネットへ投稿する人も増えてきました
一般からの投稿動画は素人ならではの身近な面白さもあり
制作投稿する人も増えてきましたが、その気軽さゆえ
質にはあまりこだわらずにアップされている作品も多く見られます
動画は絵だけに意識がいってしまいがちですが、音声も重要な素材のひとつ
どれだけいい絵でも、そこに見合った音声がなければ価値はなくなり
聞きずらい、不明瞭な音声では離脱されてしまいます
あなたの動画は音声をきちんと管理できていますか?
音は動画にとって画質と同じくらい重要なものなのですが
そこに気づいて制作されている方って実はまだほんの少数だったりします
動画の音声はなぜ重要なのか・・
今回はダメな音声の具体例をあげ、具体的に解説していきます
音声レベルに要注意!聞きにくい、聞きずらい、は伝わらない!徒労です
最近、YouTubeを見てると音量がバラバラだったり
無茶苦茶聞きにくい作品がとても目立ちます
これはスマホやアクションカムなど、
安上がりでカンタンに撮れるカメラで撮影されている事も一因なんですが・・・
さて・・・ここでみなさんに質問です
みなさんがネット動画を視聴している時、
必ずといっていいほど操作してしまうものってなんですか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・??
「ボリューム」と答えたあなたは大正解!
テレビではチャンネルをかえたりするたびにボリュームをいじるなんて
そうそうやる事はありませんよね
一方、YouTubeなどはシーンが変わるごとに
音量がバラバラになってしまうのが多く
その都度見る側が音量を上げたり下げたりしています
この操作は見る側にとって明らかな負担となり、
肝心な内容が伝わらなくなって興味が失せてしまいます
テレビ局は放送する前に「整音」という作業が行われ、
全ての音声が平均して適切なレベルになるようしっかり調整されているので
視聴者にわずらわしい手間をかけさせることはないのですが
投稿動画は音量を一定レベルにする基準というものがないため
その作業を軽視し重要さに気づいていない投稿者が多いです
投稿動画は誰でも気軽にアップできるところが長所ですが、
その反面、音量や音質については
投稿者自身でその「質」を決めなければいけません
カット編集するなら本来はそれぞれのカットの音声を
一定のレベルに揃えて仕上げておくのが理想なんです
この音声レベルを一定に保つという作業を軽視すると
音量がデコボコな作品になり、結果、見てもらえなくなって
制作にかけた時間そのものが徒労に終わってしまいます
音声は適切な音量レベルにする事も大事ですが、音質も重要です
音量がじゅうぶんにあっても、反響がすごくて聞き取りにくかったり
マイクが拾いにくい声質というのがあったりします
制作している側(投稿者)は実際その現場にいて音声を聞いているので
当然これで視聴者にも普通に聞こえるだろうと錯覚してしまいがち
・・が、視聴者は現場に立ち会って聞いてるワケじゃありません
このギャップに気づかないとダメ音声動画ができあがってしまいます
では、代表的なダメ音声について具体的に解説していきましょう
ダメ音声その1:反響がひどい
ダメ音声その1:反響がひどい
これは「喋り」がメインになる動画では特に命とりになります
銭湯やお風呂場を思い出して下さい
銭湯とかでおしゃべりすると反響がひどくて
輪郭のない聞きにくい音になりますよね
これは、音が反射を繰り返しているせいなんです
お風呂場などはほとんどがコンクリートやタイルを多用した
硬い壁でできているので音が吸収されず、
何度も反射を繰り返し、結果輪郭のない聞き取りにくい音になってしまうんです
反響は音楽などの動画作品にはある程度必要な事もありますが、
声がポイントになる作品だった場合・・
テレビにたとえるとニュースがそれにあたるのですが
反響する場所でアナウンサーが
ニュース原稿を読んでるところを想像してみて下さい
言葉を正確に伝えるのが使命のニュースで
音声が風呂場みたいに二重三重に反響していたら
まったく聞き取りにくくなってしまいます
なので、声がポイントの動画だったら
こういった反響しやすい部屋での収録はNGです
どうしても場所がそこしかないようなら、
窓にはカーテンを、壁には厚めの布か発泡スチロールを貼ってみましょう
これらは音を吸収するので反射を効果的に抑えて
クリアな音質にしてくれます
ダメ音声その2:マイクの性能が悪い
これ、そもそも論になるんですが、
まったく気づいていない人がとても多いです
動画が撮れるカメラならマイクは必ずついていますが、
カメラによって内臓マイクの性能はピンキリです
小型のカメラなどは特にですが、
内蔵マイクはほとんどオマケと考えておきましょう
ビデオカメラは動く映像を撮るものなので一応マイクはついていますが、
最低レベルの製品もあったりします
それはなぜか?
メーカーはオプションとなる外部マイクも売りたいから、です
ビデオカメラを触った事がある方なら見た事があると思いますが
ボディのサイドや後部にマイクの入力端子が必ずついていますよね
これは目的に応じた性能のいいマイクを取り付けられるようにするためなんです
動画に音声はつきものです
音はあって当然のものですが、当然であるがゆえに、
音質が悪く不明瞭だったりするととても気になるものなので
適切なマイク選びは不可欠になります
インフルエンサーで有名なマナブさんやイケハヤさんは
この事をよく理解されています
彼らの動画は、伝えるためのマイクにもこだわっているのをご存じですか?
マナブさんはiPhoneで撮影していますが、マイクはSHURE MV88という
人間の声を収録するのに適したマイクを使っています
イケハヤさんはメーカー不明ですが、いつもハンドマイクを手にしていますよね
マイクは音楽を収録するための帯域レンジの広いものから
人の声重視の中域レンジのものなど、
録る音源によって用途もいろんな種類があります
また、音を拾う方向=「指向性」も大事で、
レンズが向いている方向全ての音をワイドに収録する「無指向性」タイプのものから、
マイクが向いた一定の限られた方向からの音のみを収録する
「単一指向性」「超指向性」なるタイプまで様々なので、
どんな音源を収録するのか、それによって適したマイクを選ぶ必要があります
自分の話をメインにしたいなら単一指向性のボーカル用マイクを
音楽などを収録するなら低域から高域までワイドレンジに対応するマイクが適しています
ちょっとした投資にはなりますが、
視聴者にちゃんと伝わる音声が録れれば
最後まで見てもらえるようになります
ダメ音声その3:声質
人間の声は高音~低音とさまざま・・
音は空気の振動により伝わるものなんですが、
声質によりこの振動が強いもの弱いものがあります
マイクはこの空気の振動により音声を拾っているため、
振動が弱いときちんと拾う事ができなくなります
振動の弱い声は主に女性に多く、細い声質がこれにあたります
細い声は空気が振動しにくいのでマイクとしては苦手なエリアになるのです
反対に、太く大きな声は空気を強く振動させるため拾いやすい音、となります
人の声だけをうまく拾うには、
ボーカル系の以下のマイクを使う事をオススメします
オススメのマイク
●ハンドマイクを手に持つ
●ピンマイクやヘッドセットを使う
●卓上マイクをセットする
ダメ音声その4:周囲がうるさい
反響しない部屋があり、どんなにいいマイクがあっても
周囲がうるさかったらそれらの騒音もマイクは収録してしまいます
収録現場にいる人間は慣れてしまって意外に気づかない事もある騒音
あとから再生してみたらその騒音がかなり邪魔をして
人間の声が聞こえにくくなっていたりする事もあるのです
周囲にそういった騒音がないかをチェックしたり、
静かな環境を選ぶ事などもポイントです
もし窓にシャッターが付いていたり、カーテンがあれば、
それも騒音を遮断する材料になるのでぜひ意識してみて下さい
ダメ音声その5:屋外での風切り音に注意
屋外で音声を拾う場合、風は音をさえぎる大敵になります
人間には風切り音ってあまり耳に入ってきませんが、
意外にマイクは風に敏感です
ボーボーと風切り音にさえぎられると
肝心の音声が聞きにくくなってしまいます
人間の耳ではしっかり会話が聞こえていたのに、
後で再生してみたら風の音ばっかり強くて声がまったく聞こえない!
なんていうガッカリトラブルもこういった強風の影響でよく起こります
強風下でやむなく撮影する時は、音源を優先させて
できるだけそこに近い状態で撮影するようにしましょう
外部マイクが使用できるカメラなら風防がついたものをオススメします
風防には2タイプあり、
ウレタン製のものと毛足の長い毛布のような素材のウィンドジャマーがあります
クリアで聞き取りやすい音を収録するために:まとめ
動画は誰しも多くの人に見て欲しいと思って作るものです
ですが、せっかく時間をかけて作っても視聴されなければその苦労も報われません
音は動画の中でもある意味画質と同等に重要な部分です
ラジオという媒体が存在する事からもそれはお分かり頂けると思いますが
音声のない(悪い)動画は作品として成立しません
以下、重要なポイントをまとめてみたので
声ありきの動画を投稿するなら是非!参考にして下さい
音声収録のポイント
●音を重視する作品を撮影するのであれば、その音源に適した
外部マイクを別途で購入する
●収録する場所は反響しない、騒音のない場所を選ぶ
●本番収録前に事前テストで収録~再生して聞いてみる
●撮影者がいるのであれば録画中は必ずイヤホンで音も確かめる
●編集ソフトに音量や音質調整メニューがあるなら活用する