マツダが開発した画期的なディーゼル燃焼技術=スカイアクティブD
優れた燃費とクリーン排気に惹かれて購入したはいいけど
DPF再生が頻繁に作動して悩んでいるユーザーも多いですよね
僕が懇意にしているディーラーでも
100km間隔前後で作動してしまうと相談に来るお客さんが多いそうです
DPF再生は、溜まった煤に軽油を噴射し高熱で燃やし切る仕組みなので
作動している間は燃料をよぶんに使う事になります
そのため、作動間隔が短いほど燃費が悪化しDPF装置そのものの寿命も縮めてしまいます
本稿では、平均350km間隔で作動させている僕の経験から
DPF再生間隔を伸ばす方法を解説していきます
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ディーゼル燃焼の基礎知識
DPF再生を減らす話をする前に、まずは基礎知識を知っておきましょう
何も理解せず、方法だけを学んでもなかなか結果は出せませんから
煤はなぜ出てしまうのか等々、ぜひ知っておいて下さい
基礎知識その① 煤が出るのはなぜ?
煤の元になるのは黒い煙
ディーゼルエンジンで黒い煙が出るのは不完全燃焼が起きた時で
きれいに燃やす事ができれば煤は出にくくなります
煤が発生する原因は以下の3つ
①酸素量不足
エンジンは空気中の酸素を取り込み、燃料と混合させる事で爆発し燃焼します
ディーゼルの場合、圧縮させれば自然発火しますが
起爆剤となる酸素が不足すれば不完全燃焼が起きます
酸素不足は空気をろ過するエアフィルターが目詰まりする事で起きやすくなるので
定期的に清掃もしくは交換するよう心掛けましょう
②燃料供給の不具合
燃焼させるシリンダー内へうまく燃料(軽油)が供給されなくなれば
やはり不完全燃焼が起きます
供給の不具合は噴射ノズルが汚れて詰まる事で起きますが
マツダディーゼルには自動的に作動する噴射ノズルクリーニングというシステムがあり
これが燃料詰まりを防いでいます
③圧縮力不足
シリンダー内の圧力が低下すれば燃焼力も弱くなるので、不完全燃焼が起きます
圧縮が逃げる原因としてはオイル不足や不良が考えられ、スムーズにシリンダーが上下運動しなくなる事から起きます
基礎知識その② 燃焼効率
ディーゼルエンジンは混合気を圧縮させれば自然発火します
ガソリンのようにプラグ点火に頼っていない(始動時のみプラグで点火します)ため、
いかに圧縮された混合気を燃えやすくするか=燃焼効率が鍵といってもいいでしょう
燃焼効率を上げるもっとも有効な方法はエンジン(シリンダー内)の温度を上げる事なんですが
適正の温度にするには相応の時間がかかります
また、1000回転程度の低回転のままだとピストンが上下する運動が弱いので
どうしても圧縮力が弱くなってしまい、結果、効率も上がらなくなってしまいます
マツダの公式でも短時間の運転もしくは長時間アイドリングをすると
DPF再生間隔が短くなると解説されていますよね
これは、燃焼効率が上がらず、煤が溜まりやすいという事を意味しています
基礎知識その③ エンジン負荷
CX5クラスになると車重が1.6トン以上になります
決して軽い部類じゃないですよね
こんな鉄の塊を前に進めるワケですから、エンジンにも負荷がかかります
例えば、時速30キロ程度で4速に入れると、アクセルを踏んでもなかなか回転が上がりませんよね
回転が上がりにくくなるという事は、それだけエンジンに負荷をかける事になり
負荷をかければ燃焼効率も悪くなります
DPF再生間隔を長くするには?
さて、ここまでの基礎知識が分かれば解決策はもう見えたも同然!
キーワードは燃焼効率と負荷を減らす走り方 です
これから紹介する方法を実践すれば
DPF再生間隔は劇的に長くなります!
燃焼効率を上げる
燃焼効率をよくするには水温がひとつの目安になります
夏場は5~6分、冬場は10分以上の走行が必要で、
水温が90度程度にまで上がってくるとエンジンも暖まって燃焼効率がよくなり
煤が出にくくなります
完全燃焼域
燃料(軽油)を完全に燃やしきるにはそれなりのアクセルワークが求められます
アクセルは深く踏めば踏むほど燃料が多く噴射され、そのぶん燃焼されにくくなり煤が出ます
なので、やんわり踏むのがひとつのポイント
これを1500~2200回転くらいの間でコントロールすると完全燃焼しやすくなります
アクセルを必要以上に踏み込むと急激に車を前に押し進めるためのパワーが必要となるので
その間は負荷も増してしまいます
なのでオンオフの激しいアクセルワークを避けるのが重要
踏むか離すか、みたいな極端なアクセルワークをしてると
無駄なパワーを出す事になり煤を発生させてしまいますから
急がず慌てずやんわりと踏むのがポイント
走行中はアクセルから足を離さないようにし、流れの速度に合わせて
小刻みにアクセルを上下させてスピードをコントロールするのがポイントです
煤を出さないテクニック 実践編
煤が出にくくなればDPFにも煤が溜まらなくなり、再生回数もおのずと減っていきます
再生回数が少なくなるという事は再生間隔が長くなるという事になり
うまく運転する事ができれば300km以上で1回程度になるので燃費もよくなります
煤を出さないテクニックその① 運動エネルギーを無駄にしない
発進させ、目的の速度に持ってきたら、なるべくその速度をキープさせるようコントロールしましょう
路面の斜角に合わせ、下りならややエンブレ気味にしてやるのも有効です
また、前方が詰まっていたり、赤信号になっている時は無駄にアクセルを入れず
シフトダウンでゆっくり速度を落とすようにします
速度を出すのに使ったエネルギーをブレーキで落とすのではなく
シフト操作で落とすように心がけてみて下さい
煤を出さないテクニックその② 体感で煤を判断する
エンジンに負荷がかかってるかどうかは振動と音で判断する事ができます
発進時、低回転域だと重苦しい音で振動も大きめになりますよね
これは、車体を前へ進めるための負荷が大きくなっているサイン
この状態が続いてる間は煤も出やすくなるので
いかに早くこの振動と音から脱出するかがポイント
CX5の場合、1500回転を過ぎると音も振動も減っていくので
この体感をいかにキープするかがカギになります
煤を出さないテクニックその③ 渋滞時はむやみに加速しない
時速30km以下のノロノロ運転では無駄にアクセルを踏まないようにします
前の車に追随しようとアクセルを開けても前が詰まってたら無駄に加速した事になるので
こんな時はアイドリングのままやんわりスタートさせ
1速で時速12~15kmになったところで2速へシフトアップ!
2速と3速を使って1800回転域をキープするようにします
1速を長く使うと燃費が悪くなるので一瞬のみ使うようにし
時速が20kmに満たないペースだったら1速のまま、
アクセルを緩やかに踏むように心掛けましょう
煤を出さないテクニックその④ ケミカル剤
不完全燃焼を引き起こす原因のひとつとなる燃料供給の不具合・・
これを防ぐためには噴射ノズルをきれいな状態にするケミカル剤が有効です
ただし、ディーゼルウエポンのような煤除去剤を添加すると
エンジン内部に溜まった煤をいっきに落としてしまうので、その間は煤が出まくって
DPF再生回数も逆に多くなるので注意です!
もしやるならオイル交換直前にやっちゃいましょう
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添加剤の中には分量を自分で計って注入するものがあり
匂いも強烈なのでぶきっちょだと指に付いてしまって洗うのが面倒になります
そんな人にはボトル丸ごとタンクに流し込むだけのエコフォースDがおススメ!
この添加剤はノズル洗浄効果5000kmを謳っており、先日僕も試しに入れてみました
効果はこちらの記事で触れていますが、結果1kmほど改善されました
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DPF再生を減らす まとめ
DPF再生は煤が溜まれば溜まるほど作動回数が多くなる
煤が多く出る車と少ない車・・・いったいどこが違うのか?
それは燃焼効率のいい状態で乗れているか
そして、エンジンに負荷をかけているかいないかの違い
ディーゼルエンジンはガソリンに比べ大きく重い分
CX5だと最低でも1.6トン以上の重量になります
その車体をスピードに乗せていくには相応のパワー(トルク)が必要になるワケで
エンジンの回りはじめの苦しい回転域を使い続ければ煤だって溜まって当然!
この厄介な煤を出さないためには急アクセルを避け、
気持ちよく回る希薄燃焼域をうまくキープする!
たったこれだけでDPF再生回数を減らす事ができます
ポイントをまとめると・・・
DPF再生を減らすには?
★長時間アイドリングは避ける
★水温が90度以上になるような走行が理想
★アクセルは緩やかに!急な加速はできるだけ避ける
★2000回転前後をうまくキープする
これを心掛ければ燃費もよくなりますからぜひ試してみて下さい!
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