初めて手にしたスマホ以外のカメラ
ふだんはフルオートでもいいと思いますが
ふとした事でいろいろある機能が気になっちゃう時ってありますよね
ここでは難しい機械的な仕組みとかは説明はしません
初心者向けに理屈で分かるよう、専門用語も極力省いて
基本として知っておきたいカメラの代表的な5つの機能について解説していきます
読んで「そういうものなんだ~」って感覚を身に着けて
改めてご自分のカメラを操作してみて下さい
きっと以前より撮る事が楽しくなりますよ!
事前の予備知識
とはいえ、なんで目の前で見てる風景が映像になるのか?
カメラを使う上でこれだけは説明しておきますね
カメラはレンズを通して目の前にある風景(=情報)をセンサーという部分に送ります
センサーはこの情報を解析して映像にしていくんです
レンズには様々な役割があり、主に明るさやピントなどを調整します
ここはイメージでいいので頭に入れておきましょう!
フォーカス(ピント)
フォーカスは撮りたい被写体に焦点を合わせるためのものです
カメラと被写体の間にある距離を合わせる作業なんて面倒ですから
普段ならオートでぜんぜんOKですが
風に揺らぐ花とか常に動いている被写体はカメラも苦手です
なかなか距離を感知できずフォーカスが合わないシーンに出会ったら
手動(マニュアル)で合わせる機能がついていますので
これをきっかけにご自分のカメラの説明書の「フォーカス」を読んで操作してみましょう
露出(アイリス/絞り)
露出は画像の明るさを決めるものです
アイリスとか絞りとも言われますが、全て同義語になります
明るくする事を開ける
暗くする事を絞る、という表現をします
これも普段はカメラ任せで構いませんが、オートの場合、
背景が被写体よりも明るい(逆光)場合、全体的に暗くなったり
被写体自体が暗く写ってしまう事があります ↓
反対に、被写体が回りより明るく小さい場合は
こんなふうに白く飛んでしまう事も・・↓
露出はオートにすると画像全体のバランスを優先して明るさを決めるので
暗い部分と明るい部分があると中間のバランスで露出を決めてしまいます
なので明暗の差が大きい上記のようなシーンを撮影したら画像を確認しましょう
見た目通りに撮れていなかったら
手動(マニュアル)で露出を開ける・または絞る事をおススメします
最近では明るさを調整メニューやダイヤルで簡単に補正できるものもありますから
もし適切な明るさに写っていなかった場合は
それぞれ説明書の「露出」「明るさを調整する」等の項目で確かめてみて下さい
望遠とズーム
遠くの被写体を大きく写し出すのが望遠レンズ
構図の画角を広く写したり(広角)アップ(望遠)にしたりできるのがズームレンズです
望遠レンズは一眼やミラーレスなど、レンズが交換できるタイプで使うもので
倍率が決まっていて広角にはできませんが、ズームレンズと比べると解像度が段違いに上がります
ズームレンズは主にコンデジに使われているもので
交換はできませんが汎用性があり、広角から望遠まで幅広いシーンで重宝します
また、ズームの方式には光学とデジタルがあり
画質はレンズで画角が変えられる光学の方がキレイに写ります
スマホの場合は100%がデジタルズームで
アップ(望遠)にすればするほど画質が粗くなります
ご自分のカメラが光学なのか、デジタルなのかが分からない場合
レンズの動きを見てみましょう
ズーム操作でレンズが長く伸びるのが光学
デジタルの場合はレンズが動きません
光学で望遠にすると任意のものにだけフォーカスが合うようになり
それ以外はボケて味が出ますが、デジタルの場合は電気的に画面を拡大しているので
アップにしても周囲はボケず、代わりに画質が粗くなります
シャッタースピード
デジタルカメラはレンズで結像した映像を
センサーに照射する事で画像として記録されます
シャッタースピードとはセンサーに照射する時間になります
短い時間であればあるほど一瞬を切り取るスピードが上がるので
早く動く被写体などをブレずに収める事ができますが
反面、短かいと像を照射してる時間が一瞬になるため暗く写ってしまいます
オートの場合、昼間のような明るい場所でなら光量もたっぷりあるので
シャッタースピードも上がり手ブレを起こす心配もありませんが
夜や暗い部屋の場合はシャッタースピードが遅くなるので
手ブレを起こす可能性が大きくなります
ISO(感度)
フィルムカメラ全盛の頃は「ASA」と呼ばれていましたが
デジタル時代になりISOに変わりました
ISOはカメラの感度になります
レンズで明るさを調整するところが露出
電気的に明るさを調整する部分をISOといってもいいでしょう
感度を上げると暗い場所でも明るく写るようになりますが
その分、画像が粗くなりセンサーの粒子が目立つようになります
こちらも普段はオートで構いません
基礎からのマメ知識
これら5つはそれぞれ単独で存在しているように見えますが
実は相互に関連し合っている部分があり、ある機能を動かすと
他のエリアにも影響が出る事があります
①フォーカスに影響する露出とISOの関係
通常、広角で撮影すると全体的にピントが合うようになりますが
アイリスが開放値(数字が低くなる)になると
広角でも任意のポイントにしか焦点が合わなくなります
薄暗い場所や夕暮れ時、暗い部屋などでは
アイリスが開放値に近づくため、ある一か所にしかピントが合わなくなるんです(画像①)
これはISO(感度)にも関係があり、
感度を高くするとそれだけ画面が明るくなるので
露出も絞り方向(数値が高くなる)にする事ができ
全体にピントが合った画像になります(画像②)
感度設定を低くしていたり、元の感度が低いカメラでは
開放になる傾向が強くなるので、暗い場所ではどこにピントがきているのか
シビアに確認する事が重要になる、という事になります
②露出(アイリス)とシャッタースピードの相関関係
この2つは互いに影響しあっているものと思っていいでしょう
シャッタースピードを上げればセンサーへの照射時間が短くなるため
その分、露出は開放値方向にして光の量を多くしなければなりません
露出を絞り方向にして光の量を少なくすると
そのぶんシャッタースピードを遅くしないと適正な光を受けられなくなります
③明るさ調整で混乱する露出とISO
露出を手動(マニュアル)にしたのに全然明るさが変わらない!
これはISOがAUTOになっているためです
露出もISOも明るさ調整に関係するものですから
いずれか片方がAUTOのまんまだとこのような現象が起きます
カメラは画像の全体バランスを感知して適正な映像になるよう
それぞれの機能をコントロールします
なのでアイリスだけを手動で開けてもっと明るくしようとしても
カメラが適正値に戻そうとしてISOを下げてしまうんです
たとえば、逆光で人物が暗くなったとします
これを補正するため絞りを開けて人物を明るくしようとすると
カメラが全体バランスを優先させて適正にしようと
ISO感度を下げてしまうため、結果としてアイリスをいくら動かしても
効いていない状況になってしまうんです
では、どうしたらいいのか
答えは「ISOも手動にする」です
手順としてはまずアイリスを「5.6」にします
ここでISOを手動に切り替えるとその時点で設定していた値が出ますから
その値のまま動かさず決定して下さい
こうする事でアイリス操作すると明るさを増減できるようになります
ズームレンズは望遠にすると暗くなる
ズームレンズで望遠側にすると広角側より暗くなります
これは光の入る量が違うからで、日中などの明るい場所では
光量もじゅうぶんにあるので気にする事はありませんが
暗いシーンでは注意が必要です
暗くなればカメラが自動でISO感度を上げたり露出値を開放にしたり
シャッタースピードを遅くしたりして調整しようとします
ISOが上がれば画質が粗めな方向になり
シャッタースピードが遅くなればブレやすくなります
露出値が開放方向になれば被写体以外の部分のボケ具合が増します
まとめ
フォーカス・露出・望遠・シャッタースピード・ISO・・・
それぞれ独立した役割を持っていますが
フォーカス(ボケ具合)や明るさに微妙に関係しあうものでもあります
①フォーカス
撮りたい被写体に焦点を合わせるものですが
合わせやすいのは明るい昼間です
暗くなると合わせにくくなります
②露出
レンズで明るさを調整するものです
明るさはISOの数値によっても変えられますが
露出リング(ダイヤル)で決めるのが一般的です
③望遠
遠くのものを大きく写し出します
暗い場所ではブレやすくなるので注意しましょう
④シャッタースピード
センサーにレンズからの画像を照射する時間をコントロールするものです
早くすれば動く被写体をブレずに撮る事ができ
遅くするとそれだけブレやすくなります
⑤ISO
センサーの感度を調整するもので、高い数値にすると明るくなります
数値が上がれば上がるほど暗い場所でも写るようになりますが
粗い粒子が目立つ画質になります
普段はオートで構いません